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絆コーポレーションブログ

こんにちは。絆コーポレーションの小川潤也です。

 

譲渡を決断できる人、できない人、両者の共通点

M&Aを事業承継のひとつの選択肢とお考えになる方が増えています。

「会社を売りたい」「会社をM&Aで譲り受けたい」

弊社に寄せられる双方のご要望は事業の業態や規模によってさまざまですが、数多くのM&Aに立ちあってきた経験からある傾向が浮かび上がってきました。それは交渉場面ですぐに決断できる人と決断できない人がいるということ。

そして、両者の特徴には共通点があることです。

まず、決断が早い方に共通しているのは事業を引き継いだ後、いわゆる「ハッピーリタイア後の人生」に対するビジョンを具体的に持っているということです。これまで二人三脚で事業を支えてきてくれた妻への恩返しとして世界一周クルーズを楽しみたいとか、事業が好調のときに会社を譲り、株主として後継者を見守ることを第二の人生の楽しみとする、などです。

また「手塩にかけて育てた従業員を一人残らず雇用存続してくれるなら、事業方針の刷新には一切口出しをしない」など、会社を引き継ぐにあたり、これだけは譲れないポイント、ここまでは譲歩してもいいという線引きがとても明確であることも特徴的です。

一方、決断を先延ばしにする方に限って事業売却後の生活のビジョンが描けない傾向があります。特に創業オーナーほど事業に対する執着が強い傾向にあります。

「廃業するくらいなら、譲渡した方が賢明」と一見、M&Aに理解をしめした体でも、膝を突き合わせてお話を伺っていくうちに、「まだ隠居したくない」という本心が露わになることもしばしばです。

「仕事がいきがい」の人生が長かった人ほど「まだやれる」と思ってしまうのでしょう。未練を断ち切り、事業を手放す決心こそが最大の難問になってしまう。実は当事者である事業主自身がこの本心に気づいていないケースも多いのです。

 

経営者の3つの責任

譲渡したいとの相談後、企業評価額が希望金額よりも高くても「時期尚早である」と逡巡されたり、というケースも少なくありません。

もちろん、事業に対する執着がなかなか断ち切れないのは当然のことです。

時代の変化や景気の悪化、時には規制緩和など思いがけない外的要因や人材不足や資金繰り、負債処理など内的要因も含め、現状の会社の業績には経営者自ら努力奮闘したこれまでの日々、経営者自らの歴史と物語のすべてが詰まっているのですから……。

ただ、「もうすこし頑張ればもっと高値がつくだろう」「まだいける」と先延ばしにしたばかりにその後、評価額が下がり、「こんなはずでは」と後悔することだけは避けたいものです。「企業の永続」という本来の目的を見失って「売り時」を見誤るのは厳しいようですが、やはり本末転倒といわねばなりません。

それでも、どうしても決断できず、逡巡してしまうのなら。

M&Aを考えはじめた時の初心に立ち返ってみませんか。

あなたがM&Aを選択肢として考え始めたのは「廃業」を回避し、「事業の永続」を願ったからではありませんか。その目的を全うするためには責任が伴う、と私は考えています。

M&Aで事業を引き継ぐ場合、経営者には下記の3つの責任が伴います。

1、経営責任

経営者として事業を引き継いだ後、持続させる責任

2、株主責任

出資者として事業を見守る責任

3、雇用を守る責任

従業員の雇用を継続保証する責任

 

上記の3つの責任がよく熟考されたM&Aの交渉は驚くほどスムーズです。また3つのバランスがとれていることも重要なポイントです。

どこかに偏りがあった場合、必ずどこかのタイミングでもめたり、交渉が長引いたりします。

たとえば、経営責任に重点を置くあまり、債権者への説明がおざなりになったり、株の売却後、法的な責任から免れた解放感からつい出資者として見守る責任がおろそかになったりするケースがよく見受けられます。

また売却前の調査を怠り、売却先の企業が関連子会社と敵対関係にあったため取引に支障が出るなど譲り渡した後に問題が発覚するケースも少なくありません。この辺り、充分に留意していただきたいものです。

 

リタイア後の「見守る」楽しみ

M&A後、経営者の多くは清々しい面持ちで「自分がいなくても、ビジネスは回っていく」と仰います。それはもちろん、新しい経営ボードへの配慮であり、「古株は潔く去るべき」という美学でもあるのでしょう。その反面、譲渡後も「事業のゆくえ」が気になって仕方がない方も少なからずおいでになるはずです。

そこで、こんなふうに考えてはいかがでしょうか。

これまで共に頑張ってくれた社員たちが新しいオーナーのもとで活き活きと仕事を続ける姿を見届けることもオーナーの大事な責任。リタイア後も、元オーナーとして事業が健全に続いているかどうか「見守る」楽しみは残されているのだ、と。アクアリウムを楽しむように。

こんにちは。絆コーポレーションの小川潤也です。拙書『継がない子、残したい親のM&A戦略』(幻冬舎)がきっかけで最近は、講演会のお話をいただく機会も増えて参りました。事業承継のひとつの選択肢としてのM&Aについて語ることが多いせいか、ここ数カ月の間に「会社を買いたい」という譲受希望企業様からのお問い合わせが多数寄せられました。

 

「会社を買いたい」側、2つのパターン

 

投資先を求める企業様からお声がかかることは大変喜ばしいことです。よくよくお話をうかがっておりますと「会社を買いたい」側にはどうやら、ふたつのパターンに大別できることがわかってまいりました。ざっくり申し上げるなら、事業拡大を目的に買いたいターゲットを明確にお持ちの方と、そうでない方です。

前者の場合、ターゲットが明確に決まっているケースがほとんどです。買収したい企業が関連事業や同業の他のエリアであることが多く、規模間の擦り合わせは必要になりますが、その分野での事業経験や知識をお持ちのため、予算感も明確です。たいてい自社の会社よりも規模の小さい企業をターゲットとし、買収した後の事業の成長イメージやシナジー効果までしっかり青写真を描いていらっしゃるケースがほとんどです。

後者の場合、「いい案件あったら、検討するからなんでももってきて」という幅広く受け入れたいという積極的な姿勢や勢いを感じます。しかし、言葉は悪いですが「M&Aをしてみたい」「売上が手っ取り早く増やせる」という「M&Aありき」が先立ち、ターゲットとなる企業さえ検討しづらい傾向にあります。明確なビジョンを持たないことに加え、短期的に売上増を目的にしていることも特徴的です。どうやら、テレビドラマなどで描かれる外資系ファンドのイメージを念頭にお話をされている印象を受けるのですが、中小企業の、しかも地方の事業承継がらみの案件はいわゆる投資ファンドの企業買収とは全く事情が異なることをまず、お伝えしなければなりません。転売目的のM&Aは地方中小企業の文化とは馴染まないと私は考えています。弊社が関わるM&Aは双方にとって「ギフト」となりえる事業承継をひとつの理想としています。

 

 

双方にとって「ギフト」となりうる事業承継

 

たとえば自社事業の足りない点を補完するために競合他社を譲り受けることで、人、金、モノの中長期的な成長戦略を目標にする。事業リテラシーのシナジー効果を楽しみながら事業を育てる喜びが持てる経営陣でないと、贈りものとなるM&Aの現実は難しい。譲渡先検討企業様にとってもハッピーな未来図を提供できるか。これも大事なポイントです。

なぜその企業を買いたいのか。「買いたい」と思う企業の魅力は何か。どんなシナジー効果がのぞめるか。そのM&Aは双方の従業員に笑顔をもたらすものか。青臭いようですが、こうした問いかけに言葉を尽くして応えられる方でないと、交渉は難しいと考えます。それが地方の中小企業間におけるM&Aの現実です。

 

 

経営者の代わりとなる「参謀」

 

最後に。経営者のよきパートナーとなる「参謀」は不可欠です。成功しているM&Aには必ず、優秀な参謀、経営者の右腕の存在があります。社内にいない場合はM&Aを行う前に外部から招聘しておくこと。成功するM&Aにはほぼ例外なく、有能な経営者の代わりとなり、現場に乗り込んでいける右腕がいることを申し添えておきます。

 

こんにちは。絆コーポレーションの小川潤也です。

「借金を引き継がせたくない」先代の思い

第一回目のブログでは、譲渡先企業をご検討中の二代目の思惑についてお伝えしました。後継者となる「子ども」が親の事業を引き継ぎたくない理由の筆頭として挙げられるのが借金であるということ。血縁者は実に正直です。要は「負の遺産を継ぎたくない」というわけです。ここで注目したいのは「子どもに借金を継がせたくない」という先代側の思い。こちらもまた、切実です。両者はまるで合わせ鏡のように作用し、互いの思考停止の引き金になってしまっているのです。

先回のブログにて「債務を軽減する方法はご想像以上にある」とお伝えしたところ、早速複数の譲渡先検討企業様よりお問い合わせがありました。その時寄せられた数々のご質問にお答えするうちに、ある共通点に気づかされました。今回はそのことを書きたいと思います。皆さんに共通していたのは、M&Aに興味をもって相談には来たものの、「銀行からの借金が多くあり、それを引き継いでもらえるか不安で言い出せなかった」ため、先に進めなかった点でした。

 

追いつめられる経営者

事業の拡大や設備投資のために借金するお金はあくまでも「資本」であり、長い目で考えれば、会社の財産になると発想できたはずの経営者ご自身が、いざ子どもに継承する段階になると、一切を「負の遺産」と負い目に感じてしまい、一円でも子どもに借金を遺したくないと考え始める。この心情的にはわからないわけではありません。

その一方で、こうした負い目を感じながら、会社を譲るなら一円でも高く売りたいという気持ちが先立ち、負債を一括返済できる程度の金額提示をしてしまう傾向もみられるのですから、人の気持ちは一筋縄ではいかないものです。正直、私はある時まで、その金額提示の裏に隠された社長の悩みに気づくことができませんでした。ですが、数多くの経営者の悩みに耳を傾けるうちに、だんだんわかってきたことがあります。

こうした背景には長引く低金利で融資より手数料ビジネスに特化する銀行が増えた影響は否めません。頼みの綱であった取引先銀行の融資担当者が2年から3年で担当替えしてしまうため、もはや膝を突き合わせて事業の相談のできるパートナーたりえなくなっているのです。機械的に返済だけを急かす相手を前にして、「引き継ぐ前に一日も早く返済しなければ」と事業承継の諸問題をついつい先延ばしにしてしまう。

こうした思考停止の裏側にある、「追い詰められ感」はこちらが考える以上に深刻でした。もちろん、経営者としての自負も当然おありでしょう。それゆえ、たったひとりで悩みをかかえてしまう。そんな経営者の方が少なくないのです。

 

M&A仲介サービスの使命

何度も膝を突き合わせてようやく心を開いてお話しくださった経営者の方々のお話しを聞くうちに、私は改めて、このような悩みを解決するM&A仲介サービスの使命を実感させていただきました。

結論を先に申し上げますと、スポンサーとしての譲受希望先企業がみつかれば、借金や連帯保証債務も引き継いでもらう交渉も可能です。銀行との借入金の返済がリスケ中であっても、再建計画書をつくり、銀行との交渉テーブルに着くことができます。

その際には会社法に詳しい弁護士とタッグを組み、事業計画に基づく、スポンサーへの事業譲渡を銀行団とうまく交渉できれば、オーナーは変わりますが、事業を再生させることができるはずです。

また譲受希望企業様の視点で見れば、新規事業や新規エリアを手にいれることになるため、「負債」が思わぬ「財産」と映るケースも少なくありません。M&Aはお金で時間を買うことですから、設備や人を育む時間を先行投資によって短縮してくれたと感謝される場合もあるわけです。

私共はこうした経営者様の悩みを解決するべく、このたび、大手地方銀行と提携して致しました。息の長いパートナーとしてお役に立てれば本望です。まずは、ご相談ください。

はじめまして

はじめまして。絆コーポレーションの小川潤也と申します。拙書『継がない子、残したい親のM&A戦略』(幻冬舎)が好評をいただき、おかげさまで相談を受ける機会が増えております。地方都市において事業承継問題は緊縛の課題です。買う側にとっても売る側にとっても双方がしあわせになるM&Aとは何か。その成功の秘訣を日々、模索する毎日です。

このブログでは著著に書ききれなかった、私が日頃考えていることやM&Aの成功事例から導き出した法則などを発信して参りたいと思います。

 

しあわせなM&Aに共通する秘訣

第一回目の今日は「数値化されない企業の価値」について一緒に考えてみます。先代の事業を「継ぎたくない理由」。後継者たる子どもの事情とは一体、何だと思いますか。「自分自身の人生を変えたくない」という事情が決まって筆頭にあがるのですが、次いで「負の遺産を受け継ぎたくない」という答えも目立ちます。要は「借金」です。親がこしらえた負債を返済し、事業を回復させるほどの気概が持てない。血縁者は実に正直です。

 

M&Aをする場合も借金は買い手がつかない要因になることは否めませんが、実はやり方ひとつで債務を軽減する方法は思う以上にあるものです。こうしたスキームに長けた弁護士、会計士とタッグを組むことで、改善の手立てを講じる事ことは可能なのです。この点は「まずはご相談下さい」とお伝えしていますが、実際お会いする二代目、三代目はとかく数字にシビアになりがちです。

 

結論から申し上げますと、数字で可視化される「経済合理性」に基づく企業価値だけに囚われると、M&Aは成立しません。実はこの「プラスαの価値に惚れこむ」という要素はしあわせなM&Aに共通する秘訣だともいえるのです。では数値では計れない、プラスαの価値とは何か。たとえば、決算書やBL表に示される数字的価値は事業の収益を図る指針になりますが、ゼロからイチを創りだしてきた創業者自身の価値や、立上げの苦労、お客様や地域と築いてきた信頼関係、商品開発の歴史や物語、勝手を知った従業員などはかけがえのない、代替できない財産です。しかし、数字には表れません。

 

大企業のM&Aの場合はどうしても経済合理性を理詰めで追求し、株価を算出していかねばなりません。しかしながら、一代で築き上げたオーナー企業をその理屈で図ろうとすると企業の価値をつかみ損ねる場合があるのです。不思議なことに、買い手側の「思い込み価格」が企業の価値を高めるという、一見矛盾した法則が成功するM&Aには共通しています。血縁関係の事業承継がうまくいかないのは、近すぎるゆえにシビアになりすぎ、惚れるという感情が起こりにくくなっているとも関係しているかもしれません。

 

数字に隠されたプラスαに惚れこめるかどうか

思い込み価格というバイアスがあるからこそ、見えてくることがあります。

たとえば、中小企業において経費の計上は節税対策だということが容易に理解できるようになる。運転資金の借金もまた自走するための必要悪と捉えることができる。

数字に隠されたプラスαに惚れこめるかどうか。なんとも不合理な話だと思われるでしょうが、「この会社を買いたい」というパッションを持てるかどうか。

実はこれ、重要な試金石なのです。隠れた企業価値を発見した時の、ワクワク感は決して侮れません。いくつもの成功事例を目の当たりにしてきたからこそ、そう断言します。

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