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2019.08.14

借金問題を解決する糸口をみつける。Vol.5

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こんにちは。絆コーポレーションの小川潤也です。

事業承継のいちばんのネックとなる問題

M&Aによる事業承継のご相談のうち、いちばんのネックとなる問題は借金です。精算するか、買い手企業に引き継いでもらうか。こうした二者選択ができる企業は実は恵まれています。事業売却後も借金が残る場合、子ども達に負債を引き継ぐくらいなら、自己破産というシナリオを描き、思考停止してしまう事業主が案外、多いのです。

 

現在、新潟には約6万8000社の中小企業が存在します。そのうち、売り上げが30億を越える企業は1000社にすぎません。売り上げが10億未満の中小企業がほとんどです。

 

大きな儲けはないが、生活に困らない稼ぎを続けてきたという企業や、初期の設備投資や新規事業拡大のため銀行から融資を受け、これまで何とか細々と金利だけを返済してきたという規模の企業が事業を辞めてしまえば、たちまち返済の目処がつかなくなるのは明らかです。

 

この段階で、多くの事業主が思考停止に陥ってしまうのです。ある日ご相談におみえになった方が厳しい現実を突き付けられ、「また連絡します」と帰られた後、その数カ月先にその方が経営していた企業名を倒産情報で目の当たりにすることもあります。何とか倒産を回避する方法はなかったのか。そう考えるたび、やりきれない思いがします。

 

残念ですが、今後、こうした倒産企業は増え続けるでしょう。厳しいことを申し上げるようですが、解決の糸口をみつけるための「最後の努力」ができなければ、倒産します。ここでいう最後の努力とは売れる会社に仕上げて、買い手企業に譲渡するまでの最後のひと踏ん張りです。

 

本稿ではそのための対策をお伝えしたいと思います。

 

解決の糸口をみつけるための「最後の努力」

第一に、いらないものを徹底的に見直しましょう。会社の保養所を筆頭に「いつか有効活用しよう」と保有し続けてきた更地、使っていない事業所や倉庫などの不動産設備、有価証券、生命保険は処理してなるべくキャッシュにしておくことです。そのとき、買った値段より、相場は下がって損がでる場合が多いと思います。銀行も、M&Aで買い手がついた場合もそれらは時価で評価されるので、損が決算書に反映されるのが、早いか、遅いかの違いです。営業利益の範囲内であれば、売却して現金化するのがベターです。

 

第二に、営業利益を上げる方法をもう一度、考え直すことです。思い入れのある事業を手放すのですから、せっかくなら買い手企業は自社よりも規模や財務基盤が大きく、ノウハウに長けた企業をと希望されるのは当然のことだと思います。ならば、出来るだけよい条件で買ってもらえるよう、アピールできる材料を増やす努力が必要です。

 

まずはコスト削減ですが、営業利益を上げるためのコスト削減を徹底しているつもりで目をそむけてきた現実がきっとあるはずです。

 

例えば、高値の仕入れ先とわかっていながら「長年のつきあいだから」という理由で取引をやめられないケース。実はこれが非常に多い。ここで一度、考えて頂きたいのですが、いざという時、その仕入れ先はあなたの会社を守ってくれるでしょうか? 答えがノーなら、より安値の取引を探すべきです。

 

次に工程の見直しです。老舗企業に多いのですが、属人的なノウハウに頼り、業務フローが合理化できていないケースです。その従業員が退職したらどうするのでしょうか。こうした悪しき現状維持があれば、変える努力をしましょう。

 

「最後の努力」で事業承継に成功した事例

最後に。「最後のひと踏ん張り」をした結果、よい買い手先企業に巡り合えた事例をご紹介します。

 

2~3年、売り上げが横続きだったA社。売却を決心してご相談にみえたのですが、1年以上買い手先が決まらないままでした。A社も借金を抱えていました。

 

ところが、直近の決算で売り上げが3割増えた途端、即、買い手先が決まったのです。A社の受注量が突然増え始めたことに興味を持ったB社がアプローチしたことで、銀行が返済の条件を見直す交渉テーブルに着いた。その結果、双方にとってよりよい条件でのM&Aが成立したというわけです。

A社の「最後のひと踏ん張り」はサービスを見直すことでした。もともと取引のあった企業によりよいサービスを提供することで、受注額が増えた結果、買い手先もみつかったという幸せな連鎖が起きました。

 

 

 

「飛ぶ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、引き継ぎ前の努力ができるかどうか。思う以上に買い手先企業はみているものです。また、買い手先が現れれば、銀行に対する借金問題の解決策の選択肢が増えることも見逃せません。

 

売却金で一気に借金から解放される場合もあるでしょうし、そうでなくとも売却後一定額の返済の目処が経てば、銀行と返済計画の交渉がしやすくなります。子ども達が負債を抱えずにすむ方法やリタイア後の生活資金含め、交渉のテーブルに乗ることでみえてくる糸口はたくさんあるはずです。

 

 

思考停止に陥る前に、私達と一緒に、一歩踏み出す方法を考えてみませんか。

 

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