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2018.09.05

数値化されない、隠れた「企業の価値」に惚れこむ。 Vol.1

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はじめまして

はじめまして。絆コーポレーションの小川潤也と申します。拙書『継がない子、残したい親のM&A戦略』(幻冬舎)が好評をいただき、おかげさまで相談を受ける機会が増えております。地方都市において事業承継問題は緊縛の課題です。買う側にとっても売る側にとっても双方がしあわせになるM&Aとは何か。その成功の秘訣を日々、模索する毎日です。

このブログでは著著に書ききれなかった、私が日頃考えていることやM&Aの成功事例から導き出した法則などを発信して参りたいと思います。

しあわせなM&Aに共通する秘訣

第一回目の今日は「数値化されない企業の価値」について一緒に考えてみます。先代の事業を「継ぎたくない理由」。後継者たる子どもの事情とは一体、何だと思いますか。「自分自身の人生を変えたくない」という事情が決まって筆頭にあがるのですが、次いで「負の遺産を受け継ぎたくない」という答えも目立ちます。要は「借金」です。親がこしらえた負債を返済し、事業を回復させるほどの気概が持てない。血縁者は実に正直です。

M&Aをする場合も借金は買い手がつかない要因になることは否めませんが、実はやり方ひとつで債務を軽減する方法は思う以上にあるものです。こうしたスキームに長けた弁護士、会計士とタッグを組むことで、改善の手立てを講じる事ことは可能なのです。この点は「まずはご相談下さい」とお伝えしていますが、実際お会いする二代目、三代目はとかく数字にシビアになりがちです。

結論から申し上げますと、数字で可視化される「経済合理性」に基づく企業価値だけに囚われると、M&Aは成立しません。実はこの「プラスαの価値に惚れこむ」という要素はしあわせなM&Aに共通する秘訣だともいえるのです。では数値では計れない、プラスαの価値とは何か。たとえば、決算書やBL表に示される数字的価値は事業の収益を図る指針になりますが、ゼロからイチを創りだしてきた創業者自身の価値や、立上げの苦労、お客様や地域と築いてきた信頼関係、商品開発の歴史や物語、勝手を知った従業員などはかけがえのない、代替できない財産です。しかし、数字には表れません。

大企業のM&Aの場合はどうしても経済合理性を理詰めで追求し、株価を算出していかねばなりません。しかしながら、一代で築き上げたオーナー企業をその理屈で図ろうとすると企業の価値をつかみ損ねる場合があるのです。不思議なことに、買い手側の「思い込み価格」が企業の価値を高めるという、一見矛盾した法則が成功するM&Aには共通しています。血縁関係の事業承継がうまくいかないのは、近すぎるゆえにシビアになりすぎ、惚れるという感情が起こりにくくなっているとも関係しているかもしれません。

数字に隠されたプラスαに惚れこめるかどうか

思い込み価格というバイアスがあるからこそ、見えてくることがあります。

たとえば、中小企業において経費の計上は節税対策だということが容易に理解できるようになる。運転資金の借金もまた自走するための必要悪と捉えることができる。

数字に隠されたプラスαに惚れこめるかどうか。なんとも不合理な話だと思われるでしょうが、「この会社を買いたい」というパッションを持てるかどうか。

実はこれ、重要な試金石なのです。隠れた企業価値を発見した時の、ワクワク感は決して侮れません。いくつもの成功事例を目の当たりにしてきたからこそ、そう断言します。

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