M&A用語集
役員退職慰労金
取締役や監査役に支給される退職慰労金のこと。支給の可否及び支給方法、支給金額は本来株主総会で決議される。実態は株主総会において取締役会に一任する旨の決議が行われることが多い。従業員に対する退職慰労金と同じく、退職所得税の課税の対象となる。
株式譲渡でM&Aを実行する場合、役員退職金を組み合わせることで税負担を軽くできる可能性がある。もともと一時金で受け取る退職金は給与や賞与よりも税金が優遇されており、税額を計算する際に、退職金の額から退職所得控除を差し引き、さらに2分の1を乗じた金額が課税対象になる。役員退職金は、株式譲渡とそれほど変わらない税率で、かつ会社にとっては損金算入できるというメリットがある。法人税法では過大役員退職金の規定が存在し、不相応に高額な退職金については、適正額を超える部分について損金不算入とされる。ただし、その場合であっても受け取った側の所得区分は原則として全額退職所得として取り扱われる。適正な退職金額については、以下の方法により算定することが一般的である。
適正な退職金額=最終報酬月額×在任年数×功績倍率