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「タイミングを逃さないことが大事」 ――M&Aで資金繰りの問題を解決し、 従業員の雇用も利用者の安心も 継続できた成功事例!

[著]:小川 潤也

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地元密着型で、新潟エリアで介護福祉事業を広く展開してきたT・N様。相手先選びに紆余曲折はあったものの、最終的にM&Aを成功に導くことができました。
M&Aを主導された施設長のT・N様にお話を伺いました。

資金繰りの問題からM&Aへ舵を切る

−−まず、御社のこれまでの事業内容について簡単にお聞かせください。

私どもは新潟市内で、デイサービス、グループホーム、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどを中心とする高齢者福祉事業を展開しています。「地域に根差した施設」をモットーに運営を行ってきており、今年で創業25年を迎えます。

−−このたび、M&Aに踏み切ったのはどういった理由でしょうか?

オープンから25年の間に、介護保険制度の創設や介護報酬の変化など、介護業界も様変わりしてきました。設備の老朽化に伴う修繕や機器の入れ替えも頻繁に発生するようになり、コストは増大しました。一方、近隣に新しい施設ができたため、以前のような収益が見込めなくなっていました。加えてコロナ禍での利用者の減少、また人手不足など、運営はたいへん厳しい状況にありました。

資金繰りについては金融機関に相談していましたが、いよいよ自助努力では難しい状況になった時、M&Aという選択肢が浮上したわけです。

−−絆コーポレーションにM&Aを任せたのはどういったきっかけですか?

M&Aの話が出た際、メインバンクの金融機関に、絆コーポレーションの小川社長を紹介されました。絆コーポレーションは以前、人材派遣で利用させていただいたことがあったのですが、M&Aにかかわる事業もやっているというのはこの時初めて知りました。金融機関からは、M&Aに関して実績のある会社であり、信頼がおけると説明を受けたので、まずお会いして相談することになりました。

ノウハウの豊富な県外企業との出会い

−−M&Aに取り組んでから、具体的にはどのような流れで進みましたか?

最初は、新潟市や新潟県の同業他社をリストアップしていただき、まずは当社の名前を出さずに公表できる範囲内でそれぞれ打診していただきました。その中で当法人に興味を示されたところが2社あり、そのうちの1社と交渉を始めました。しかし直前になって、今後の事業及び資金計画などを理由に先方が辞退され、振り出しに戻ってしまいました。

その後、もう1社と交渉まで漕ぎつけましたが、これも直前になって先方が辞退されました。両社ともさまざまな理由があったと思いますが、やはり「タイミング」というのが重要であると実感しましたね。

その後は新潟県内だけではなく、県外にも目を向けて候補先を探すことにして、小川社長に尽力していただいた結果、今の業務提携先が見つかった次第です。

−−業務提携先はどのような企業ですか?

大きな資本と介護に係わるノウハウを持っている企業です。新潟県外に本社があり、今回のM&Aによって新潟に初の拠点を持つことになるそうです。ここを足がかりに、県内に業務を拡大していく目論見もあるようです。

−−M&Aにあたっての条件はどのようなものでしたか?

従業員の雇用維持と、入居者や利用者の方々にご迷惑をかけないことが一番の希望でした。幸い従業員の雇用については、これまでと同じ待遇のままということになっておりますので、皆さん引き続き働いていただけるようです。職員が変わらないことは利用者の方々にとっては安心につながりますので、その点もよかったと思っています。

−−M&Aが実現するまでの期間はどのくらいかかったのでしょうか?

昨年の4月ごろに小川社長に会ってアドバイザリー契約をし、今年の4月に先方様と業務提携の契約を結んだので、約1年ということになるでしょうか。2社の辞退はあったものの、結果的にはわりとスムーズに進んだと言えるでしょう。これもやはり絆コーポレーションさんのネットワークの広さのおかげと思っております。

小川社長は何事も迅速に動いてくださって、先方さんへのリクエストなどに関しても細やかなフォローをしていただいたので、その点は非常に感謝しております。

全てはタイミングを逃さないこと

−−T・N様は、今後も引き続き事業運営に関わられるのでしょうか。

私はもともと施設長という立場だったのですが、M&A後も引き続き施設長として、私が運営に携わっていきます。実は今回のM&Aによって、新たな事業展開を見据えた動きも出てきています。

M&Aは終わりではなく始まりだという認識ですので、身の引き締まる思いでおります。これから安定した法人運営を行い、地域の高齢者福祉に貢献していきたいと思います。

−−今回のご経験を踏まえて、M&Aを考えていらっしゃる経営者さんにメッセージをいただきたいと思います。

当初、私はM&Aという手段は全く頭になく、ただ経営面の改善や資金繰りで頭を悩ませていました。そんなところにメインバンクの金融機関から絆コーポレーション様を紹介されたのは、まさに「タイミング」だったとしか言えません。

相手先との出会いも、スムーズに話が進むかどうかも、すべてが「タイミング」。ここぞという好機を、逃さないようにしてもらいたいと思います。

――地元の皆様に寄り添って誠実に事業を行ってきた当社。従業員も利用者様も納得できるかたちでのM&Aを実現させることができ、安定経営と新たな展開への希望も見えているようです。今後ますます、地元で信頼される施設としてのご発展をお祈りしております。

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著者

小川 潤也

株式会社絆コーポレーション
代表取締役

1975年新潟県新潟市(旧巻町)生まれ。株式会社絆コーポレーション代表取締役社長。大学卒業後、株式会社富士銀行(現・みずほ銀行)入行。法人担当として融資、事業再生、M&Aなどの総合金融サービスを手がける。2004年、医療介護の人材サービスを手がける株式会社ケアスタッフの代表取締役に就任。また銀行勤務時代に培った新規取引先の開拓やM&Aでの経験を生かし、地方都市の後継者不在、事業承継ニーズに応えるべく、株式会社絆コーポレーションを設立。M&Aアドバイザリー事業、スペシャリストの人材紹介事業を展開。著書に『継がない子、残したい親のM&A戦略』(幻冬舎)がある。
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