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絆コーポレーション

ローカルM&Aマガジン

「よいご縁」でスムーズにM&Aを実現した体験談! 「不安だらけの状態」から「皆幸せな結果」に至った要因とは?

[著]:小川 潤也

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「お祖父様が始め、ご主人が大きくしてきた自動車整備工場をなんとか存続させたい」との思いからM&Aを決断されたのは、樋口モーターズの元社長の樋口加代子さん。

事業承継については何もわからず悩んでいた状態でしたが、幸運な出会いから、皆が幸せになれるスムーズなM&Aが短期間で実現しました。

夫が家族と共に築き上げた会社を守りたい

会社のこれまでの成り立ち

--まず、御社のこれまでの成り立ちについて簡単にお聞かせください。

うちの夫の祖父と父が、昔、当地で自転車屋を営んでおりました。

木造の小さな工場で、自転車の修理をしたり分解掃除をしたり、ちょっとした車の修理などもやっていたんですね。その頃うちの夫は新潟の方で重機関係の会社に勤めていたんです。

ところが、父親が早くに亡くなりまして、急遽、私たち夫婦が戻って祖父の家業を継ぐことになりました。

夫は商売の目を持っていたといいますか、先見の明があって、民間車検場の指定を取ったり、いち早く中古車センターを始めたり、とにかく先を読んでどんどんいろいろなことを考えて会社を大きくしていったんですね。

夫の弟たちも、高校を卒業すると勉強して車関係の資格を取ったりして手伝うようになり、家族一丸となって盛り上げてきたんです。

M&Aに踏み切ったきっかけは?

--今回M&Aに踏み切ろうと思われたきっかけはどんなことでしょうか?

夫が亡くなった後、私と、夫の兄弟2人とで会社をやってきたんですが、子供は女ばかりで後継ぎがいないんです。私も70歳近くなってきて、先のことを考えるとだいぶ不安になってきていました。

私ばかりでなく兄弟たちも歳をとってきたので、万が一誰かが体の具合を悪くして1人欠けたりすると、会社自体が立ち行かなくなります。

夫がほとんど一代で大きくして、家族が協力してやってきた会社ですから、つぶしてしまうにはしのびないですし。それで、M&Aという考えに至ったわけです。

絆コーポレーションにM&Aをまかせた経緯

--絆コーポレーションにM&Aをまかせようと決心された経緯は?

それまでもM&Aのパンフレットなどは結構送られてきていました。ただ、具体的にどう進めていったらいいのか、私どもはまったく分からない状態でした。

私もだんだん切迫感が出てきまして、だいぶ悩んで、一時は夜も眠れないくらいでしたね。

そんななかで、たまたま銀行さんの紹介で絆コーポレーションの小川社長をご紹介いただきました。

初めてお会いした時に、好印象がありましたね。へんな言い方ですが、目を見た時に、この人は信頼できる、お願いしてみてもいいんじゃないかと、そういう安心感みたいなものがあったんです。

費用面についても、最初にはっきりとお話しさせていただいたところ、「心配ない」とのことで安心しました。

でもやはり一番は、うちの会社の身になっていただけるという信頼性を感じましたので、おまかせすることに決めました。

良き巡り合いで「縁」が結ばれた

とんとん拍子に進んだM&A

--それからM&Aは順調に進んでいったのでしょうか?

絆さんがとても親身に、うちと合う企業様を一生懸命探してくださいまして。会ってみて合わないと思ったら遠慮なく断っていいんですよ、と柔らかく言ってくださったので、気負わずに臨むことができたんですよ。

譲渡が決まった企業様とは本当に、スムーズどころか、びっくりするくらいにとんとん拍子に進んでいって、「えっ、こんなでいいのかしら?」という感じでしたね。

金額面も含めて、あちら様の希望とこちらのご希望が合わないといったトラブルも全然ありませんでした。

期間でいうと、実際に銀行さんからお話があってから1年弱くらいで決着しましたので、M&Aの進み方としては早い方ではないでしょうか。

ご縁というか、巡り合わせがきっと良かったんだと思います。そういう縁を結んでくださった小川社長さんには本当に感謝しておりますし、ありがたかったですね。

書類面の手続きなども、小川さんが丁寧にサポートしてくださいました。私が何も分からなかったもので、ご面倒をおかけしたと思いますが。

買い手はどんな企業?

--今回、買い手に決まったのは、どういった企業様でしょうか?

同業の方です。うちからも立地的に近い会社で、社長さんはまだお若いですが、一生懸命な方で、うちの人がこういう思いでここをやってきたと私が話すのを、素直に親身になって聞いてくださいました。

今はまだ引き継ぎの途中ですが、毎日のように来てくださって、これはこういうふうにしましょう、といった相談をしております。

「樋口モータース」の看板はそのままにして、従業員もそのままで働けることになりました。

うちの人がやってきた工場をまたこんなふうに盛り立ててくれるということは、後継ぎがいないからとたたんだりするよりはずっと幸せなことではないかなと、私は前向きに考えています。うちの人も、きっと喜んでくれていると思いますね。

M&Aについて悩める経営者様へのメッセージ

--M&Aについて悩んでおられる経営者さんに対して、メッセージをいただきたいと思います。

同じM&Aでもいろいろな会社がありますので、選び方には迷われると思いますが、まずは親身にご自身の会社を思ってくれていると感じられる、そういう人と巡り会えるのが一番でしょうね。

まあ私は本当に運が良かったのか、皆さんのご協力でここまでやってこられたのは本当にありがたいです。言いたいのはその言葉しかないですね。

--これからはゆったりとセカンドライフを楽しまれるのでしょうか?

いえ、代表ではなくなったものの、まだまだ私もやることがたくさんありますので。

自宅の方も一緒に譲渡したので、これから近くに小さい家を建てて、私で役に立つことがあればお手伝いしようかなと考えているんですよ。

--ご家族で築いた会社を無事に引き継ぐことができてひと安心の樋口さん。今後も良きアドバイザーとして会社を見守ってください。

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著者

小川 潤也

株式会社絆コーポレーション
代表取締役

1975年新潟県新潟市(旧巻町)生まれ。株式会社絆コーポレーション代表取締役社長。大学卒業後、株式会社富士銀行(現・みずほ銀行)入行。法人担当として融資、事業再生、M&Aなどの総合金融サービスを手がける。2004年、医療介護の人材サービスを手がける株式会社ケアスタッフの代表取締役に就任。また銀行勤務時代に培った新規取引先の開拓やM&Aでの経験を生かし、地方都市の後継者不在、事業承継ニーズに応えるべく、株式会社絆コーポレーションを設立。M&Aアドバイザリー事業、スペシャリストの人材紹介事業を展開。著書に『継がない子、残したい親のM&A戦略』(幻冬舎)がある。
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