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事業承継に悩む企業多数!地方ビルメンテナンス業界の実態

2020.11.25
[著]:小川 潤也
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ビルメンテナンス会社が事業承継に困り、当社に相談に訪れるケースがあります。

特に地方では、ビルメンテナンス業界はジリ貧に陥っており、多くの企業が次代への引き継ぎを諦めて廃業やM&Aの選択肢を選んでいるのが現状。

地方ビルメンテナンス会社の実態について解説します。

低空飛行の地方ビルメンテナンス業界

ビルメンテナンスは、典型的なストック型のビジネスだといえます。

ビル、マンション、大型商業施設、ホテル、旅館、官公庁の庁舎、病院などや、その管理会社と契約を結んでいれば定期的に収入が入ってくる、安定した仕事です。その一方で清掃員の確保に苦労されているところがほとんどで、売上に比例して、従業員の数も増えていくのが、特徴です。

一方で、たとえば定期清掃、日常清掃などの清掃作業などに代表されるように技術的な障壁が低い領域が多いため、競業他社は多く、常に価格競争にさらさることが近年は多くなってきております。安定はしているけども儲かっておらず、経営者でもそれほど多くの収入を得ていない……というのが、多くのビルメンテナンス企業の実態なのです。

さらに、契約を継続していると、クライアントから競業からの低価格での新規営業により、何年に一回か、値下げ要請を受けます。

ビルメンテナンス会社のコストの大部分は人件費によるもので、値下げのためには人件費を削るしかありません。値下げ要請を受けたビルメンテナンス会社は清掃の回数を減らしたり人員の常駐をやめたりと、仕様を変更し、人件費を減らす方向でコストを削らざるを得なくなるのです。しかし、そうすれば当然、サービスの質は低下します。

特に官公庁のクライアントなどの場合、一年や三年毎の入札でその都度、価格競争を強いられ、実績が欲しい新規参入業者が採算を度外視し、安値で受注してしまうことも稀に起こります。その結果、法外に安い契約金額になり、発注元は一見、得したことになりますが、実態は定められた仕様が守られず、施設が荒れて、ゴミやほこりが常に待っているような状態になってしまいます。

それもそのはずです。安値で契約したために仕様を満たす人材を確保することができず、結果として、仕様通りに作業ができない状態になるからです。そして、また、入札で元の仕様通りにできる業者を探すという不毛な繰り返しが多く起こっているのです。

都心ならば未来はあるが……?

そんな停滞したビルメンテナンス業界ですが、都心部ならばまだ可能性はあります。東京を中心に大規模なビル開発計画がまだまだ動いており、大規模開発につられて中小規模のビルが建て替えられるトレンドが続いているからです。

市場のパイが拡大すれば当然、ビルメンテナンス企業としては新規の案件を獲得できるチャンスが生まれます。新しい契約を取れていれば、既存のクライアントからの値下げ圧力にある程度強気に対応することもできるでしょう。

また、市場の需要が高ければそもそも価格の引き下げが起こりにくく、ビルメンテナンス企業が適正な利益を得られる水準が市場価格になってきます。

しかし地方ではビルの新築案件が限られており、自然な市場拡大は望めません。ジリ貧状態の中、ビルメンテナンス企業が自社を拡大するには、同業他社をM&Aするか、新規事業を手掛けるしかないのです。

その結果、首都圏や地方のビルメンテナンス業界は再編が進んでいます。新潟県でも、いくつかの経済圏でビルメンテナンス会社がいつの間にかM&Aで経営者が変わっているということが起こります。特に清掃だけしかしていない、いわいる下請け業者は再編の荒波を全国各地で受けているようです。

承継するか、手放すか

実は私の父も、ビルメンテナンス会社を経営しております。

現在は兄が事業を引き継いで経営しているので、存続していますが、ビルメンテナンス会社の実情を子供の頃から目の当たりにしているので、ビルメン業界のことがよく分かるのです。

よく言われているのが「ぬるま湯につかっている茹でカエル状態がビルメン会社の実態」ということです。要は熱湯にカエルを入れるとすぐに死んでしまいますが、ぬるま湯に入れるとすぐには死なず、徐々に弱っていき、茹でガエルになって、ゆくゆくは死んでしますということです。

ビルメン会社の経営者としては今までは安定はしていたが、これからは茹でガエルになる可能性があるので、息子や娘に継がせることに自信を持ちきれない。これが現実です。

継ぐ側にしても、幼少期から親が経営者として、地味ですが安定して生活をさせてもらい、おかげで大学まで進学できたけれど、これからの将来を考えると成長戦略が描けないと考えるのが順当です。だったら東京でサラリーマンをやったほうがいいか、という心持ちになってしまうのです。

そうすると、継がせる側の経営者としてはM&Aによる大手への売却が最善の選択になるケースが出てきます。会社を潰さずに手放せば経営者としては一番楽になりますし、後継者候補の息子や娘にしても地元に戻る気がなく、本音は会社よりお金を残してくれるのが嬉しい、となるのであれば、売却がベストです。

まとめ

当社のビジネスの中でビルメンテナンス業界の企業から売却の相談を受け、買い手の募集に至るケースが増えている現状を踏まえ、今回はあえて業界特化の記事を執筆しました。

業界の経営者の方には、苦しい状況が自社だけのものではないことと、解決の手段があることを知っていただければ幸いです。

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小川 潤也

株式会社絆コーポレーション
代表取締役

1975年新潟県新潟市(旧巻町)生まれ。株式会社絆コーポレーション代表取締役社長。大学卒業後、株式会社富士銀行(現・みずほ銀行)入行。法人担当として融資、事業再生、M&Aなどの総合金融サービスを手がける。2004年、医療介護の人材サービスを手がける株式会社ケアスタッフの代表取締役に就任。また銀行勤務時代に培った新規取引先の開拓やM&Aでの経験を生かし、地方都市の後継者不在、事業承継ニーズに応えるべく、株式会社絆コーポレーションを設立。M&Aアドバイザリー事業、スペシャリストの人材紹介事業を展開。著書に『継がない子、残したい親のM&A戦略』(幻冬舎)がある。

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