もし、会社をたたむとするならば、どれくらい費用がかかるのでしょうか? 本記事では、会社をたたむ際にかかる費用について徹底解説します。
目次
会社をたたむのに必要な費用は?
合計7万~10万円が目安!
個人事業主の場合、人によって状況に違いがありますが、ゼロ円で廃業できるケースも珍しくありません。
ところが、株式会社などの法人を設立した場合、ただで解散・清算できるわけではありません。以下のような費用がかかります。
・解散登記費用:3万円
・清算人の選任登記費用:9000円
・官報公告の掲載費用:1行3524円(税込み)
※解散の公告には約3万5000円(10行分)
・清算結了の登記費用:2000円 など
これらを合計すると、7万~10万円かかります。
少し詳しく見ていきましょう。まず、法人の解散の日から2週間以内に法務局で「解散と清算人選任」の登記申請を行う必要があります。解散登記は義務です。この登記申請を怠ると、代表者に対して100万円以下の過料に処せられる場合があるので注意が必要です。
さらに、官報への公告も法律で定められています。
こうした手続きを司法書士に依頼すれば、代行してもらえまずが、手数料が別途かかります。
その他の費用は?
上記のものは法律に定められた手続きを進めるための費用です。しかし、それ以外にも会社をたたむにはコストがかかります。
まず、従業員のケアです。会社都合で辞めてもらうため、30日分の解雇予告手当の支払いが必要です。また、退職金規定に基づいて、退職金の支払いもあります。また、規定になくとも円満に退職してもらうために特別手当を支払うケースがあります。
事務所や店舗の退去にもお金がかかります。賃貸物件の場合、原状回復に費用がかかります。また、機械や設備の撤去・処分や在庫の処分にも費用がかかります。
法的な手続きよりもむしろ、こうした費用のほうがかさむケースが大半です。
会社をたたむための手続きの流れ!
会社をたたむには、どのような手続きを取ればいいのか見ていきましょう。
株式会社の場合
▼株主総会
株主総会を開いて会社の解散に関して決議します。半数以上の株主が出席して、3分の2の承認が必要です。この際、財産整理を行う清算人を選びますが、代表取締役が選ばれるのが一般的です。
▼社員や取引先への通達
社員や取引先に知らせます。
▼登記
2週間以内に解散登記と清算人選任登記を行います。財産目録・貸借対照表の作成や確定申告と税務署への届け出なども行います。
▼官報公告
官報に清算公告を行って、清算手続きに入ります。
▼決算結了
清算時に財産が残る場合は株主へ分配されます。ここまで終われば、決算報告書を作成して株主総会で承認されれば、決算結了です。
▼清算結了登記
法務局に清算結了登記を行えば、完全に会社は廃業です。
有限会社の場合
有限会社の解散手続きの流れは、上記の株式会社と基本的には同じです。
ただし、特別決議の要件が「半数以上が出席した株主総会決議で4分の3の同意」という違いがある点に注意が必要です。
合同会社の場合
合同会社は2006年に新たに設けられた会社形態です。決算公告の義務や役員の任期がなく、社員総会などの設置が不要でスムーズに意思決定できるというメリットがあり、設立件数は年々増えています。設立のハードルが低い分、経営がうまくいかずに廃業するケースが多いが実情です。
合同会社をたたむ場合も法的な手続きが必要です。株式会社との違いは以下の点です。
・解散の決議には総社員の同意が必要
・解散後は会社の合併が制限される
・合同会社の「社員の責任」は5年経過しないと消滅しない など
個人事業主の場合
個人事業主が廃業するのは、法人と違って簡単です。基本的には所轄税務署と管轄の都道府県税事務所に廃業届を提出するだけです。廃業届の提出には費用はかかりません。
注意するべき点は、廃業届を提出する時期です。廃業しても、廃業した年の事業所得を確定申告しなければなりません。
廃業ができない場合
債務が残った状態では、会社を解散・清算することはできません。その場合は破産手続きを行う必要があります。
ただし、残った財産によって債務を清算できれば、借金があっても廃業は可能です。
会社に借金がなくても、廃業手続きに必要な諸費用を支払えないと、廃業は困難になってしまいます。
廃業以外の選択肢
会社の経営をやめるにしても、解散・清算する以外に次のような選択肢があります。
休眠
会社を存続させたまま、法人としての事業活動を一時停止するのが「休眠」です。会社を休眠させるには、税務署や都道府県税事務所、市区町村に「異動届出書」を提出します。
休眠には次のメリットがあります。
・いつでも事業活動を再開できる
・解散・清算に比べて費用や時間がかからない
・法人税・消費税の課税がない
・許認可の取り直しがない
一方で、休眠会社には次のデメリットがあります。
・手続きや会社維持のために費用が発生する
・税務申告が毎年必要
・休眠して12年が経過するとみなし解散の対象になる
M&A
会社をたたむといっても、必ずしも赤字や債務超過が原因とは限りません。近年は、経営者の高齢化や後継者不在、人手不足で会社をたたむことを考えているケースが増えています。
もし、こうした理由で廃業を検討しているのであれば、M&A(会社売却)による第三者承継で会社を残せる可能性もあります。黒字企業はもちろん、赤字企業でも場合によっては買い手が見つかることがあります。
まとめ
会社をたたむための費用や手続きを見てきましたが、会社をたたむかどうか迷っている場合、ぜひ専門家に相談してみてください。M&Aなどによって事業を存続させ、社員の雇用も守れる可能性があるからです。
すでに廃業を決心した場合でも、債務との兼ね合いや手続き費用などの絡みがあることから、早めに専門家に相談するのが賢明です。
専門家の知見を借りながら、ぜひ悔いのない選択をしてください。
小川 潤也
株式会社絆コーポレーション
代表取締役



