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クラウンジュエル

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クラウンジュエルとは、企業が保有する営業上の重要な財産や収益上重要な事業部門や子会社である。大変価値があるもの、という意味で「王冠の宝石」に例えてこう呼ぶれている。また、敵対的買収防衛策の一つとして、クラウンジュエルと呼ぶ場合、対象会社のクラウンジュエルを売却したり、分社化したりして、相手方の買収意欲をそぐ行為(焦土戦術)のことをいう場合もある。クラウンジュエルという言葉は、王冠に組み込まれている宝石を取り外すことで、王冠の魅力を低下させ、狙われなくするということになぞられて用いられている。重要な財産の処分については取締役会の決定で行うことができる(会社法362条4項1号)。重要な財産の処分による防衛策であれば、機動的に行える可能性がある。しかし、取締役には、善管注意義務・忠実義務が課されており(会社法330条・355条)、これらの善管注意義務・忠実義務は、会社のために職務を行うために課された義務である。すなわち、会社に損害を与えるような職務執行を行えないことを意味する。つまり、クラウンジュエルを行うことは、取締役が善管注意義務・忠実義務に反する可能性がでてくる。敵対的買収防衛策としてクラウンジュエルを用いることは現実的にハードルが高いと考えられる。

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